日記5

思っちゃいけない

考えてはいけない

そういう呪縛があった。

 

ねむたい。仮死状態を連想してすぐさま打ち消す。こんなに濁流の中にいるのに仮死なわけない。

 

『ダメじゃないんじゃないんじゃない』(はらだ有彩、2021、角川書店

読みながら先日の出来事を思い出して沸々と腸が煮え出した。育休中の知人が自分のことを「うんこ生産機」だと言う。返す言葉が見つからなくて、黙っていたら、みんなそう言ってるの、私もうんこ製造機になっちゃった〜とか、冗談で、と笑いながら言う。笑えなくて、それからずっと引っかかっている。子育ては当たり前に社会の一部なのに、社会から切り離されたように感じて孤独に子育てをしている人がいて、当人がそうやって自虐を言い合う状況。グロテスクだなと思った。実際自分が出産や育児をすることを想像すると、社会から切り離されるように感じるのだろうなと思う。職場に復帰したら睡眠時間が減ると彼女は言う。寝ろよ。頼むから寝てくれよ。生理前にキレるあなたが睡眠不足に耐えられると思うのか。子のいない私が感じている感情も思いもきっとどうせ傲慢と偏見を孕んでいるでしょう何もわかっちゃいない浅いものでしかない。それでもかなしい。あなたがあなたを大切にしないと。

 

子を欲しいと思わない。欲しいと思わなければいけないと思っていた時期もあった。それが苦痛だったのかもしれない。それが「ふつう」だと、「ふつう」にならなきゃと。子が欲しくないと言えば「子はいいものだ」「産めばかわいい」「なぜ欲しくない」と言う両親と、「私の育て方が悪かった」「あなたを信用していない」「(あなたがそうなのは)私が全部悪いの」と言った母を思い出す。私は何を思う。