日記4

ぐらぐらと揺れながら「とんぷく」を飲むか思案している。案外電車通勤は飛び込みたくならずに済んでいる。今日は、というだけかもしれないけれど。飛び込みたくなるのは乗り間違えたり、乗り過ごしたり、いつもと違う電車に乗って帰り方がわからなくなった時のような気がする。だから今はできるだけ行く病院も職場も変えないほうがいい気がしている。とんぷく。飲まれそう。トンプクトゥ。プクプクトゥ。

 

サビ柄の猫ってちょっと強そう

 

できるだけ同じことを繰り返したほうがいい気がするのに、焦燥に駆られながら変化を求めている。その追い立てられるような感覚が背中を押しきった時飛び降りるか飛び込んでいるのだろうと予想をしてみる。できるだけのんびりしようと思う、それでいて薬で強制的にぼんやりしている部分を、それでいいの?と追い立ててくる声がある。

 

できるだけぼんやりしている。できるだけ考えないようにしてみる。頭の中から追い払う。声を。

本を目で追っていられない日も多い。追える日はまあやってみるかとつとつとと追いかけてみて。思考の半分でも持っていかれたらよしとするのもいい。のめり込めたら最高。頭の中の羽虫たちの声を遠くへおいやれたら。

『悲しみの秘義』(若松英輔、2015、ナナロク社)を読んだ。読んでいないかと思ったら一度読んでいた箇所もあった。書くことを鼓舞する本。私も書いていいのだと。書くことで得られるものがきっとあると。彼や彼女らのかなしみを私は受け止める自信はない。ただ読むだけ。春になったら花びらをひとひら拾おうと思った。